きもの あれこれ 洗ったり

きものを自分で洗う、縫って直す、着付けをあれこれ試すなど経験したこと、学んだことをなど綴ってみます。

初心者による三歳着のセルフお直し2 衿の付け替え

初着を三歳着に自分でお直しに挑戦。お直しの工程は主に下の通り。

三歳着にするためのお直し
  1. 肩上げ
  2. 腰上げ
  3. 衿のシミの直し
  4. 着付け紐の付け替え

前述の1、2のお直しに続き、今度は難関と思われる3の衿取り掛かりました。

3.衿のシミの対処法:付け替え

思い切って着物を洗った際に、小さなシミや汚れはとれたものの、衿についた濃いシミはやはり取れなかった。特に上前にあるシミ汚れはどうしても隠せない。仕方ないので、衿を掛け替えることにした。 衿を直したい場合、大きく2つの方法がある。

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付け替え前の衿と共布

衿直しの主な2つの方法

ついている衿をそのまま使うか、共布を使うかの2通りがある。

  1. 衿の外し、上前と下前を逆にして付け替える(衿をそのまま使う)
  2. 共布を使う (別布を使用)
Aについて

今ついている衿を使用する方法。
衿の裏側(肌に近い側)を確認し、きれいであれば、衿を外し裏面を表にして付け替える方法。ただし、柄がおかしくならないか確認が必要。
メリットは、共布を必要としないし、生地を裁断することなくそのまま使える。
デメリットは、衿をすべて外してから付けることになるので、初心者には難易度は上がる。

Bについて

着物を仕立てた際に出た余り布か、着物のどこかの部分の布を使用する方法
メリットは、元の衿を少しずつ外しながら縫えるので、縫いやすい。
デメリットは、衿にあててもよい布をどこかから出してこなくてはならない。また、生地があっても、柄や向きが合わないと代用は難しいこと。

今回の着物は、衿の裏側もシミが目立って使えず、方法は断念。幸い腰ひもに共布を使用してあったため、Bの方法を取ることができた。しかし、着物の衿の付け替えは難しい。三歳着は着付けの際に衿をつめるので、多少縫い方が甘くても大丈夫と言い聞かせた。だけど、衿は気をつかう部分であったことは間違いない。

 

途中、縫い目のお粗末さに糸を解くことはあった。また、ぼーっと縫ってしまい「なんでこんなとこ縫うの!」とまた糸を解くことも。幾度の遠回りをしながらようやく完成。手間をかけた分、愛着はかなり持てたなぁ。

あとは、娘の気分をうまく乗らせて本番に臨むしかない。こちらの気持ちしらず、子どもは時に残酷だったりするから心配。親心子知らず、、でも仕方ない。

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衿の長さに腰ひもを切る

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衿の付け替え完了

 

初心者による三歳着のセルフお直し1 肩上げ 腰上げ

三十数年ぶりに自分が着た三歳着を娘の初着にするために、まず正絹の着物を自分で水洗い。その際に肩上げ、腰上げをすべて解いた。
娘の三歳着として再び使うとなると、、さぁ大変。解いた上げを娘の丈に合わせた三歳用にお直しが必要。難しいだろうけど、自分で直してみたい。和裁は素人だけど、お直しはできるのか、いざ挑戦。

三歳着にするためのお直し
  1. 肩上げ
  2. 腰上げ
  3. 衿のシミの直し
  4. 着付け紐の付け替え
結論、和裁が得意では決してない私でもどうにかなった。しかし時間はかかりました。
袷の着物のため、表生地と胴裏がずれないように縫っていくのは大変。ただ、苦労はあれど、やっぱり自分で直した着物は、非常に愛着が湧きます。

1.2 肩上げ 腰上げ直し

初着を三歳着に直すには、最低限1と2が必要。娘の着丈と裄丈を計算し、着物を折り上げて縫えばよいだけ、と思っていた。ところが、一度洗ったため昔の折り返し線がない。また、洗ったことで良くも生地がツルツルとなり、表生地と胴裏を一度に扱うのが難しい。腰上げの方法を調べると、アイロンの使用は不要とあったが、自分のやりやすい方法を取るため、アイロンを使用し、手間ではあったが以下の作業を行った。

肩上げ・腰上げを縫う工程

おおまかに3つの工程を、肩・腰ともに行った。

  • 折り山位置に印糸をつけ、アイロンがけ
  • 折り返し位置に印糸をつけ、アイロンがけ
  • 本縫い

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肩上げ

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腰上げ
印糸を付けずに、まち針でとめて一気にアイロン掛けすれば、工程はぐっと減る。しかし、実際にやってみて気づかされる着物を扱う難しさがあった。
着物を縫う難しさ
  • 表生地と胴裏を合わせて縫うのは大変
  • 生地が柔らかく滑りやすい
  • 一度つけたアイロン線を直すのは手間

生地のなめらかさゆえ、滑りやすいので、生地が動きやすくまち針が抜けやすい。さらに、手で布を折って印をつけても、まったく跡がつかない。そのため印糸を付けて、都度アイロンで線を付けていく方法をとった。これは時間がかかりました。でも仕方ない。こんなことを繰り返してようやく肩上げ、腰上げができた。次は衿直し。。先が長いかも。。

着物ヘアセット 美容室ではここに注意

美容室で着物用のヘアセットをして、ひどく悔しい思いをしたことがある。

ある大事なパーティーのため早朝出発となり、当時住んでいた駅の近くでヘアセットしてもらうことにした。着付は自分して、その後美容室でヘアセットをして駅へ移動する流れであった。
早朝対応が可能で、最寄り駅に近い条件で美容室を決めてしまったのが良くなかった。この件からヘアセットする美容室選びの基準ができた。

美容室選びはここが大事
  1. 着付けサービスのある美容室がオススメ
  2. 男性スタッフだけの美容室は要注意
  3. 着物で行くことを事前に伝え、汚れては困ると念押しで伝える
  4. ヘアスタイルは決めていく

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1.着付けサービスのある美容室がオススメ

当然のことのようだが、私が依頼した店は、早朝対応してもらえるが着付けサービスのない店だった。しかし、これは良くなかった。着物の大切さや扱いを知らない。だから衝撃だったことに、薄い手拭きサイズのタオル1枚だけ着物を上に掛けられ、セットが行われた。しまいには、タオルを取ったあとに、グロススプレーをされた。着物はそう簡単に洗えないし、汚せないことを理解していない美容師だった(店長なのに)。

2.男性スタッフだけの美容室は要注意

これも、後から思い返して気づいたとこだが、この美容室を調べたら、スタッフは男性のみ。女性のお客さんも当然いるようだし、店のつくりは女性も入りやすそうだった。しかし、店長なる人にやってもらったはずなのに。大切な髪飾りの扱いがぞんざいだった。

3.着物で行くことを事前に伝え、汚れては困ると念押しで伝える

それでも、1や2がクリアできない、心配な美容室だけど、そこしか頼れない場合の対策。言いやすい電話で、この着物は大切なのだと事前に伝えるといい。知人に借りた着物で汚れないようにお願いしたいが、大丈夫かとか。失礼かもな、言いにくい、があっても重要なことは事前にきちんと伝えたほうがトラブルがない。

4.ヘアスタイルは決めていく

お任せもありだけど、行きつけ美容室でもない限り、当日の仕上がりの満足度と所要時間の心配を無くすためにもスタイルは決めておく方がいい。もし、イメージと違っても、それは自分の責任でもあるとあきらめもつきやすい。

ちなみに、私はおおよそのスタイルを決めたいったが、仕上がりがぼさぼさした感じがしていた。何より、会場で親しいひとにこの件を伝えたところ、普段自分でセットしているほうがいいよ、とまで言われてしまった。
また、親戚が美容室にいる着付けの先生は、ヘアスプレーの件は「ありえないっ」と言っていた。

 

この件があまりに印象深く、パーティーの記憶がほぼ無いほどだ。こんな気分になるなら、ショートヘアかショートボブにして、セルフセットのほうが安全だったと、今ならだけど感じうる来事だった。

 

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帯締めの収納は100円ケースで

着物は小物が多い。そして紐や布類のため形状が固定しずらく、薄い、小さいなど扱いには気を遣う。
その一つに帯締め。母はタンスの上部の小さいほうの引き出しに帯締めを収納していた。しかし、上手く収納できてはいなかった記憶がある。

そこで、私が実践している帯締めの収納法は、100円ケース収納である。A4サイズで同じ形、深さのケースを合わせ留めて使用するタイプのものである。

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この収納方法には便利な点がいくつもある。

ケース収納のおすすめポイント

  1. 重ねずに1本ごとに並べて収納できる
  2. 透明のため、収納しているものを全て一目で把握できる
  3. 紐が動きにくく、房・紐どうしが絡まり傷めることがない

1.重ねずに1本ごとに並べて収納

ケースの深さは、帯締めを1本ないし2本を上に重ねられるほどであるが、そこが好都合。ケースのフタを閉めても、中身が動きにくく安定するのである。それに、ケースを縦においても中身が動きずらい点もかなりいい。

2.透明なため一目で把握できる

着物だけでなく、収納全般に言えることだが、一目で全体を把握できることはかなり強い。そのため、透明ケースで収納できるのは、かなり使いやすい。
ケースごとに種類分けしてラベルを貼れば、季節やTPO、色味ごとなど自分なりの使いやすい管理できる。

3.房・紐どうしが絡まり傷めることがない

深さのある引き出しに無造作にしまっていると、取り出す時に違う紐も引っ張り出してしまう。その際に房も傷めてしまうこともある。しかし、重ねても2本程度の深さしかなく、ケースの中でほぼ固定されるので絡まり・傷みを防げる。

 

着物には小物合わせも楽しみたいもの。何通りもの小物の組み合わせを試したい。それには小物をいかに整理して、取り出しやすくするが重要。ケースなので、簡単に持ち運びでき、帯締めの色合わせに何本も試したいときにも取り出す際の手間がかからない。

和装小物は宝の持ち腐れにならないよう、確認しやすく、取り出しやすい収納がいい。それにはぜひ、おすすめの収納方法である。

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足袋カバーは外出時の強い味方

足袋について常々思うことがある。
足袋は常に外にさらされており、なおかつ地面に近く、砂ほこりがよく付く。
白足袋だとその汚れは目立つし、落ちにくい。
しかし頻繁に買うには、足袋は安くない。

 

ある時、ちょっとしたパーティーに着物で行く機会があった。きれいな白足袋を用意はしたものの、道中での汚れがかなり心配である。
足元は見る人は見るし、汚れてしまうと誰よりも自分が気になってしまう。
そこで足袋の汚れが軽減できるものを考えたどり着いたのが、

足袋カバー

1000円しないくらいのものをネットで発見。
化繊で伸縮性(ストレッチ)があり、履き口はゴム。これを木綿の足袋の上から履くことにした。

結論、これはいい!
当日は会場まで木綿足袋の上に履いていたが、
履き口のゴムのおかげで、会場のトイレでもさっと脱げる。
帰宅してカバーをよく見ると、いつも足袋で汚しやすい部分が汚れている。そして中の木綿の足袋は真っ白。
薄い素材なので、脱いだ後もかさばらずバッグにしまえる。ぜひおすすめである。

ポイント
  • 重ね履きがおすすめ。口ゴムなので、会場でさっと脱げて手間がないから下に履く足袋はきれいなまま
  • 重ね履きをするのであれば、薄手でワンサイズ大きいものをおすすめ
  • 事前に撥水スプレーなどかけておくと、汚れが付きにくく落としやすい
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和裁を習ってみて

自分には不向きだと今ならわかるが、和裁を習ったことがある。実家の古い着物を自分で直したいという熱い思いが当時あったからだった。

習い始めは、本当にチクチクとただの布を縫うだけ。その縫い目をチェックしてもらい縫い目がつれていると、解くよう指示され、やり直し。なんとキビシイ。器用でもない私は、何度もやり直しをしたなぁ。

結果、そこまで上達もせずに辞めてしまった。
高い授業料ではあった。学んだことは、、自分には合ってはいなかったこと。

いやいやそれだけではない。
着物を縫うということは大変な作業だともわかった。和裁を学ばなかったら、裄丈を直すのくらい、ちょいっとできるのではと、ずっと勘違いしていただろう。自分で直すにも、今ほどに慎重にはなれなかったと思う。
和裁を学んだことで、和裁の本を読む機会ができ、着物の構造を少しでも知れたことは大きかった。

何より、和裁の奥深さを感じたことで、
自分は着物を楽しく着られれば良いと考えられるようになった。
それに自分で直すなら自分なりにしか直せなくてもそれでいいじゃないかと。

 

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(当時、いろいろ探して一番わかりやすいと思って購入した本)

 

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(和裁教室で縫ったもの。衿先どめだが、構造が理解しきれなかったなぁ。)

着物を帯に仕立て直したら 注意ポイントはここ

さて、帯のリメイクで学んだことをちょっと。。

リメイクする際して、
やはり一反の生地で作るのとは違い、
着物用に裁断された生地から帯を作り直すで、
つなぎ目が出てしまいます。

さらに、シミや汚れが生地に点在している場合、
うまくお太鼓や胴回りの見えるところに汚れや継ぎ目が
出ないよう、作ってもらいつつ、
お太鼓部分に柄がうまく出るように作ってもらわねばなりません。

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この汚れの部分は、隠してもらえました!
ただ、他の小さなシミなど仕立て直す際に隠れきれないものは
目立たない位置にくるようにしてもらいました。

また、帯芯の硬さのよって、締めやすさや雰囲気も
変わってしまうので、注意が必要です。

 

【リメイクを注文する際の留意点】

  • 仕立て上がりの柄の向きは、おかしくならないか
  • お太鼓の柄の出方の確認
  • シミなどの汚れは、省くもしくは見えないようになるか
  • つなぎ目は着付けの際にはきちんと隠れるか
  • 生地に合った自分の締めやすい帯芯をお願いすること

そんなことを相談できる良い和裁士の方に
リメイクしていただくことがおすすめです。

ネットの時代、お店の評判などよく調べてみるといいかもですね。
(ちなみに私は、少しだけ習っていた和裁教室の先生にお願いしました)

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おわり