きもの あれこれ 洗ったり

きものを自分で洗う、縫って直す、着付けをあれこれ試すなど経験したこと、学んだことをなど綴ってみます。

初着をお直し2 きものを洗う

水気を切った着物を当て布を使ってアイロンに掛けること2時間。
残念ながら全ての汚れは取れなかったものの、かなりきれいになった部分もありました。とても感動です。ただ、重度のシミは残念ながら多少薄くはなれど、落ちませんでした。 

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また、洗った後の着物はそれまでのごわつき感が消え、つるっとした絹本来の柔らかさが戻り、着物が生き返ったようです。ただうっかりしていたのが、洗う前の寸法を計らなかったため、縮み具合がわからないままですが、生地はつれてはいないので初着としては合格かなと。

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あとは、落とせなかった目立つシミをどうしてあげようか。
襟部分の汚れについてはかなり目立つため、内側と外側の向きを変えて縫い直したいなと思うもののどう手をつけようか、悩み中です。。

初着をお直し1 きものを洗う

前回の実家から見つけた三歳着を初着にしたいと思いましたが、いくつものシミを発見。どうしようか。見なかったことにするにはあまりに多く、さらに目立つシミの数々に悩みまた。

 

そこで今回は思い切って、この着物を自分で洗うことにしました。というのも以前、別の古くてだいぶシミのある着物での経験があったからでした。

 

着物を自分で洗うことに決めた理由

  1. 着物専門のクリーニング店で断られることがある
  2. 染め替えはしたくないから
  3. 自分で洗ってダメになっても仕方ない状態だったから

 

1.着物クリーニング専門店からの返答

以前に同様に古くシミの多い着物をどうにか直して着たいと思い、専門店に着物を送ったことがあります。かなりの見積もり額になるだろうと覚悟していた中、返ってきたのは、クリーニング不可とのこと。その理由はこんなことでした。

  • シミが古すぎて落ちきれないかもしれない
  • シミがついて時間が経ちすぎたため生地が薄くなり、お手入れに耐えられないかもしれない
  • 落ちきれないシミの対処法には、染め直しもあるが費用がかかる。また生地が耐えられるか保証できない。

お金を掛ければ直せる、との返答を想定していたので、驚きました。つまりもう直しては着れないとのこと。素晴らしい着物だなぁと思っていたので、がっかりしました。

同時に、着物は都度のお手入れが重要なのだと改めて実感したのでした。

 

2.染め替えはしたくない

染め替えて大切に着物を着ることもありましたが、この着物の色合い、デザインが気に入っていらので、選択肢から外れました。

 

3.自分で洗ってだめなら仕方ない

自分で洗えたらならどんなにいいか、と古い着物を見ては何度と思いってはいました。
どこまで落ちるかわからない。専門店に頼めないのであれば、使われないより自分でダメにしても仕方ない。
縮んだり、破れも仕方ない、でも自分で洗ってどうなるか知りたい好奇心が強くなりました。

 

着物を自分で洗ってみよう!

着物を洗うために私は以下の用意をしました。

用意したもの

  • 絹用洗剤
  • 洗い桶
  • バスタオル
  • アイロン
  • ビニール手袋 ビニール(必要あれば)

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絹用洗剤について

いろいろ調べて評価が高かったので、今回初めて使用したものです。

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いざ部分洗い、、と思ったのですが、どんどん液が染みてきて、あぁあぁ、とまぁこのまま全体を洗ってしまうことになりました。。

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ここからバスタオルを3枚使用して手で脱水をして、アイロンがけに入ります。洗濯機の脱水は、縫い糸がおかしな具合につれてしまうのでだめです。

(つづく)

 

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(写真の着物が、専門クリーニング店でも断られたもの。美しいものなので、本当に残念ですが、母の娘時代のものなで約50年くらい眠っていた。。)

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自分が着た三歳の着物は、娘のお宮参りで使える! 産着と三歳着

娘が生まれ、お宮参りの着物が必要になりました。
自分のアルバムを見たら、お宮参りと三歳着の着物が同じ柄!
どうやら、お宮参りの初着(着物)は、三歳着にもなり、お直しすればまた産着に戻るとのこと。
さっそく、三歳の着物を実家で探してみることに。

実家を調べたところ、一つ身のきものが見つかりました!およそ三十数年経ての出番。
着物は三歳の七五三セットと一緒にありました。この着物は三歳着の形で残っていたようでした。

 

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(実家から発掘した三歳着)

初着と三歳着は同じ着物でも、仕立て方が違う!

ここから初着として使うにはどうすればよいか。初着と三歳着の違いをまとめてみました。

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ちなみに、初着と三歳着を併用できるのは、「一つ身」という背縫いの無い着物になります。一覧表も一つ身の着物のお直しに関してです。(我が家にはこれがあったのでした。)


自分が着た初着を娘にも使うなんて、なんて素敵なことだろう!と喜んだのも束の間、
いくつものシミを発見。お手入れをしないままだったため、いたる所が傷んでいました。さすがにこのままでは。。

さっそくお手入れにかかることにしました。
(続く)

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補足:祝い着の年齢と種類について

  • お宮参りの初着:『一つ身』(縫い目がないきもの)
  • 3歳の晴れ着:『三つ身』もしくは『一つ身』
  • 7歳の七五三の晴れ着:『四つ身』(背中の中心「背中心」に縫い目があるもの)

お宮参りと初着について (改)

前回、初着についての内容があやふやだったので、改めてきちんと見直しました。
なるほど、やはり認識違いだったのと、調べるほどに和装の深さを感じ、改めて備忘録的に記録してみることに。

 

祝着と仕立てについて(主に女児の場合) 

お宮参り(初着):一つ身
三歳の祝い着 :一つ身(仕立て直す)、四つ身など
七歳の祝い着 :四つ身、別衽裁ち、五つ身など

 

「一つ身」とは背縫いが無く、2才くらいまで着られる着物で、初着(産着、宮参り用の掛け着とも言う)は主にこれ。
私の実家にあるものは、背縫いが無い「一つ身」。初着として使用した後、三歳の祝い着に仕立て直して使用した。だから、初着と三歳着の着物が同じものだったのだ。

 

 この〇つ身の数字は仕立ての裁ち方に由来するらしい。
(ちなみに「四つ身」で仕立てると、3~7歳くらいまで使え、三歳と七歳の兼用で祝い着にすることもあるとのこと。)


さて「一つ身」の着物を仕立て直す場合、初着と三歳着の違いは何だろうか。

 

「一つ身」での初着と三歳着での違い

初着

付け紐を付け、背守りをした状態になる。

 

三歳着に仕立て直すと

肩上げ、肩上げをして寸法を調整(産着は大きく仕立ててあるため可能)

 

背守り・紐飾り

「背守り」

背紋が入る部分に絵や模様を施した刺繍をするもの。
人の魂は背中に宿っており、着物にある背筋の縫い目の「目」が魔物を見張り身を守ることが背守りの由来とのこと。

 

「紐飾り」

掛着の紐を縫い付けしてある部分の刺繍のこと。縫い糸は止めずに切り離してある。
由来は「迷子のお守り」として、子どもが迷子になり悪いものに引っ張られてそうになっても糸が着物から抜けて捕まらないようにとのこと。
この飾り刺繍にも男女で向きが違うらしい。

そういえば、我が家の着物には背守りの刺繍は無かったが、背紋は入っていた。これは女児では珍しいとのこと。ありがたいです。
そして紐飾りは、着物を手洗いするときに抜いてしまった。。刺繍は気づいていたが、糸端がほつれているのかと思ってたが、あれは意味があるものだったのか。。

子どもが迷子にならないように、私ががんばるしかない、、なんて。

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お宮参りと初着について

娘のお宮参りのために初着を用意することにしました。子どもの時の着物が実家の奥深くにありそう!さっそく探してみることにしました。

さて、そもそも「お宮参り」とはなんぞやという疑問から、日本の伝統文化ときものについて改めてお勉強してみました。

 お宮参り

「産土参り(うぶすな‐まいり)」とも言い、生まれた子供が初めて産土神に参ること。(産土神とは、その人の生まれた土地を守る神のこと。)赤子は初着をまとい、生まれた事を神様に報告する儀式。

 

初着

お宮参りの初着は一つ身とされます。

 

一つ身

背中に縫い目の無いきもの。昔は乳幼児が無事に大きく成長することは難しかったので、初着に背縫いが無いことで、背後から魔物が入らないよう「一つ身の着物」がよいと考えられていた。また、背中の縫い取りが「背守り」として魔除けの意味もあったとのこと。

 

なるほど。日本の民族衣装であるきものから、伝統的な文化が見えてきて、奥深いものだと関心です。

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(つづく)

きもの あれこれ 洗ったり

着物が日常であった祖母、毎日着物で仕事をしていた母の影響で、いつからか着物に強い興味を持ち、社会人になってから着物についての勉強を開始。

 

全くの初心者からスタートし着付師、着付講師の資格取得。着物や着付けを学ぶたびに湧き起こる疑問。実家の着物はどうメンテナンスしていけばよいのかなと、着物に関して経験し学んだことを綴ってみます。

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